『融通』予約手法とは

予約商品に対してこだわりなく幅広い選択肢をもっている顧客と、特定の予約商品をどうしても必要とする顧客のニーズを調整して、 必要とされている商品をできるだけ多くの顧客に予約販売するための新しい予約手法です。
（産総研より国内、海外<欧州、米国、中国、韓国、シンガポール、香港>に特許出願済み）

解決すべき課題

右図のように8時台に羽田ー福岡間に3便のフライトがあると仮定します。
最初に一人の顧客が10分の便でも30分の便でもどちらでも良いと思いながらも、予約システムに促されて「何となく」10分の便を予約し、 その後、ペアの顧客が30分の便でも45分の便でも構わないのだけれども、「取りあえず」30分の便を予約したとすると、この時点で、8時台の便の予約状況は下図のようになります。

この時点で、4人グループの顧客が前後の乗り継ぎの関係で、「どうしても」8時10分の便が予約したいと言っても、 現状の予約システムでは、10分の便はすでに3席しか空席がないので、その顧客の要望に応えることはできません。
こうした結果は、事業者にとっては販売機会の損失、資源稼働率の低下をもたらしますし、顧客にとっては、他の航空会社の便を探さねばならず、余計な手間がかかります。

しかし、最初の顧客は30分の便でも良いと考えていたし、次のペアの顧客も45分の便でも構わなかったはずです。 もし、そうした顧客の意図を予約システムがきちんと管理できていれば、右図のように席を移動して、4人のグループに10分発の席を予約することが可能になるはずです。
このようにユーザの要望をきちんと管理し、調整して予約することを可能にするのが『融通』予約手法です。

DREAM予約システム

我々は『融通』予約手法の考えを実現するためにWEBベースの汎用的な予約システムとして、DREAM予約システムを開発しました。

DREAM予約システムは、上図に示すように汎用予約タスクエンジンFREEを中心に、 最適な予約価格を設定するための最適化ツールSPOTおよび最適化のためのシミュレーションデータを作成するための予約分析器TRADEから構成されます。

汎用の予約タスクエンジンであるFREEでは、3種類の予約タイプを想定しています。

通常予約	１つは従来の予約システムと同様な通常予約タイプ。 このタイプの予約では、顧客は予約されていない物の中から特定のものを選択して固定的に予約します。
おまかせ 割引予約	２つめのタイプの予約は、「おまかせ割引予約」です。顧客が選定した予約候補のうち、一つを仮予約として押さえておき、他の候補を予備予約として管理します。 顧客としては、仮予約もしくは予備予約のどれでも良いから一定の期日までに特定の予約が確定されれば良いという物です。 このタイプの予約が存在して初めて、先の例で示したような、予約の入れ替え（融通）が可能になります。 したがって、事業者は顧客にできるだけ多くの候補を指定してもらえるよう、候補の数に応じて予約価格を割り引きます。
わがまま 割増予約	最後のタイプの予約は、「わがまま割増予約」です。これは既に仮予約として別の顧客が予約した物を、後からきた顧客が譲ってもらいます。 したがってその代償として、その顧客は割増料金を事業者に支払うことになります。

結果的に、おまかせ割引予約とわがまま割増予約を設けることにより、顧客の特定の予約に対するニーズの強さや危急度に応じて自然と合理的な予約価格を設定することが実現できます。